翼あるもの/soft_machine
おおきな
朝日を 笑いながら
数えきれない鳩が輪になって
時の繋がりが聴こえてくるような
羽根を打つほどうつくしい游び
壁にぶつかるんじゃないか
そしてそのまま吸いこまれるんじゃないか
何かに引きよせられるように進む烏は
遥かな高さをまっすぐ過ぎ
めぐる風に羽根をつき
ふわと舞いおりる
木陰でたばこを咥え
空を眺める男たちと
私も同じ羽撃きをくり返したが
かすかに浮あがるのは心だけ
街の音につつまれるだけ
翼あるものの声が
知らない国に届かず結ばれて落ちても
静かな海にふり積もる
地上で灼かれる私たちには見えない
そっとおしあう
ソラの膨らみ
戻る 編 削 Point(12)