累の臭跡/あらい
今日死んだものをひきずって
前に倣う 泥の轍の
なさけない背中が
夢や理屈を運んでくる
ここで落ち合うつもりだ。
一方で雑草も揺らがない礎
リフレインする夕餉のかおりに
正常に、
跡を掻く、
目覚めを、
わらえよ。
地から地へ一本の線を引く私達の姿よ
湛えよ
星屑たちの水平線
彼方へ
一直線に落下するその秒の余韻が蜥蜴の尾を切った
誘蛾燈から鱗粉だけを遺して消える
あかりむらぐもが つきひを覆っていく やわらかに劣される暗夜
すべやかに満たされる肺腑。
かたちばかりの。
胸の内には月下美人を飼っている、
身の丈にもない微熱が嗄声の鴉を呼ぶのだとまた。
むかしから焼け爛れた螺鈿のめぐり、
氾濫した渦のまたたき。
十分すぎるほど転がっている雨、天使の石。
そのよろずの山に波が断つ。
あおりをあびた火の子がたぶん、きっとしるべになる、
ただようものか、もうすでに
戻る 編 削 Point(1)