ムンクの星月夜/中田満帆
 

 走りつづける大型トラックにはどうやら、
 おれの妄念を消し飛ばしてくれる叙情詩を書くための、
 鉛筆すらもないということが、
 ちかごろの農家学と、
 占星術師との交わりのなかで、
 判明したらしく、
 ダリのポルノよりもムンクの星月夜が好きなおれは秋霖のない銀河で、
 ジャニスの"Move Over"を踊りながら、かの女とかの女の男友だちについて、
 どうしても考えてしまう悪癖を片づけようと、
 抽斗の銃を磨く。

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