ムンクの星月夜/中田満帆
 
 さみしさがどうにもならないとき、口のなかで爆発する薄荷飴を数えて、
 ひとつの動作から、もうひとつの動作へと移ろう、おれは孤立者
 いままであったことのぜんぶ、経験のぜんぶを蔑すだけで、
 たった1日から1週間までが消滅する、おれは孤立者
 いままであった裏切り、じぶんでじぶんを
 追放してしまったことを悔やみつづけるだけのときがつづく
 そして恐怖ともにのみ、なにかを信じようとして、
 それが見つからないことに苛立つゆうぐれ
 ぜんぶが無意味なのかも知れない
 過去をつれあいにして、
 場面から場面をブロウアップしつづけるおれ
 深夜の摩耶埠頭から、この新神戸まで、
 
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