ぼくらが幽霊になるまで/中田満帆
 
答えのないからだを求めてしごく茎はまだ熱いからね、
 きみがもっとも嫌悪する手法で演じられるハメット、
 ホロメス、ドーキンスたち
 『愛について語るときに我々の語ること』?
 どうも見憶えがないバードマンの思考のなかで、
 ひらめいた花が評論家を撲殺するからといって、
 甘えることはできない
 応えることはできない
 なぜ、
 なぜなら、
 われわれはまだじぶんの声を発見してないからと
 じぶんの声のない詩人たちが吠えてる
 だってふさごとよりも愉しい快楽が、
 自己確認がどこにもないからだ
 きっときみの心臓なら
 十時間は持つ
 たったいま現れた、
 装填済みの拳銃のように
 いっせいにみんなからたちの葉を射貫け
 ぼくらが幽霊になってしまうまえにさ。
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