ぼくらが幽霊になるまで/中田満帆
捧げられたものと与えるものの区別がつかないままで、
ぼくは語って、きみは答えた、のはぜんぶがぜんぶ正解じゃないから
なにものともつかない悪夢を乗せて亡霊がインターステイツを走る
あかときのまぼろしみたいなかたちでもって説明書を読むとき、
セメダインがぼくの足下で泥酔していることに気づかざるを得ないのはきっと
きっときみのせなかにある自爆ボタンに魅せられたからだった
だのにきみはぼくを裏切ったばかりか、
形式を破壊した
『殺しを呼ぶ卵』──そんな映画が上映された町で、
ホドロスキーのまねをする演出家たち
だからぼくは虐殺したんだ、夢のなかの親や姉を
答え
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