シマウマに乗って宇宙へ行く/atsuchan69
 
水浸しの草原に黒い鳥たちがいる
どこまでも濡れた大地に星が映っていた
シマウマに乗って宇宙へ行く
果てしなく遠い、天地の境を行けば
そこに揺らめく虚空の入口がある
朝が来れば揺らめきは消えてしまうから
夜にしか宇宙へ旅立てなかった

いつしか赤い砂の星にいた
転がる草と木を燃やして暖をとった
この星の空気は銀色に輝いている
干し肉をかじり、馬にも水を飲ませた
空にはふたつの太陽があった
ピンクの雲と雲の間に、
浮遊した巨大な街が見え隠れしている

夜にはふたたび宇宙を旅した
ルンガの言い伝えでは
血で染めた岩石の帆船で
銀河を自在に行き交う部族が
呪いの谷で
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