focus/あらい
 
舌の肥えた過去が焼け落ちた瞬きを拾い上げ
  同じ口を借りるまで、垢を吹き混ませて
    足を酌み交わしてつないだ中心から
      私は死にゆくのかと思いながら

        (飢えるから か 欲するからか)

    低く唸りを上げた風に
   影は微動だにせず

         ただ 馳せながら 涙しながら

    縛り上げた静態を救い上げる
     新しいうたを繕っている
   
    唯 
   破れ目から捩じ込んだ 稚拙な今が行進する
    只

  翔けるのだと、
 刻まれてゆくのだと、
 身を切るよう
  にして。 あわ
[次のページ]
戻る   Point(3)