熱病まで/あらい
 
見回せば片付けられた木立ちにまた
影がぼやけている遊戯は弾力を持ってあると

足も
遠のく
意識が
視線に
絡まる
幻想運動

市街地に押し寄せる コスモスを裏返して

慌てふためいた花壇の大輪が折れているのをみて
ふと、ショートケーキにつまらなさを受け止めて

気だるさが肌を
氾濫した昼顔が
 懐いている 
      幾星霜のパズルピースの先程、
ぬるくマミれ

モーテルのテラスを開けるといいと
名知らぬ少女にいくらか持たせ
バスタブには立派な黄葉を落としたあとの

航海薄明にも
鳴らない電話が
うっ血してる
あと数歩の
距離にあって
[次のページ]
戻る   Point(3)