仮名桜待ち惚け/万願寺
な言語を操るものである。そのつぎにおおいのが、やはり作家、詩人、弁護士、また意外と、風船やポップコーンを売って、好きな本だけ読んで暮らしているものもある。仮名桜同士のネットワークは緊密に発達していて、弁護士が訪ねた先の公園で、ポップコーン売りを手伝うことも、強面のエンジニアが、詩人の家を燃やすのを手伝ったりすることも、この星ではよく見られる光景だった。星害がかれらを強くし、また、密にし、信仰に信仰を重ねるような仕組みで強化することを荒立てた。明白とだんだら闇の交互化にたいして脆弱性をもつ種は他にもあるが、かれらだけがなぜか、ハイリスク・ハイリターンの生活を好む。そして時には土で顔を汚し、芋を掘って
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)