断/医ヰ嶋蠱毒
唸りを上げる鉄塊よ
轟音を上げて泣け
窓にびっしりと憑依した
発話する羽蟲と
奴らを随え歩む詐欺師達の
ただ
憩いの熾火のために
燃やされた男の
一握の遺灰を
精密に組み上げた先で
生きている機械
いま都市の
景観を駆け抜け
唯一
お前自身のための
殺戮を始めよ
脳髄を黒く染めてから
スロットルを上げる
銀色の翼が裂き
ギロチンが喰らう
絶え間ない加速
一列に並んだ首を斬り落とし
噴き出した血で
満月が
紅を引く様を観に
より高高度へと舵を切れ
騒々と群れる雑踏への
ささやかな贈与は
彼らが何よりも
お前を道具と見做した上で
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