「君たちはどう生きるか」を自分はどう見るか/木屋 亞万
 
公の眞人が死んだ母を探すという形で、死者に会いに行こうとする場面が出てくる。

 そして眞人は、庭にある木のトンネルをくぐり、不思議な塔のトンネルを通り、異世界へ向かう。
 異世界に降り立ってすぐに門を見つける。この門(「我ヲ學ブ者ハ死ス」と書かれている)も死と生を隔てるメタファーに思える。その先にある墓は「死」の象徴であり、古墳の石室の入り口のようでもある。石で組んだ社のような形をしていて、神聖な感じと死の恐ろしさの両方を見るものに感じさせる。
 門を開け、死の世界に足を踏み入れてしまった眞人を、キリコという女性が救う。そのときに言う「振り返ってはいけない」というセリフは、先のイザナギの
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