ゲーマーズハイ/soft_machine
ゲームセンターの活気は
見ているだけがいい
かつてハイスコアを争った
夭折たちの親しみが鎖されている
憧れた景品は
一度もとれたことがない
冷媒は触れると綺羅をすり潰す
それくらい冷房された室内は
副流煙のビンゴもならず
逃げる圧倒的個人が
いったい何をしたというのか
コインを積むのも流儀があって
隣の校区と
隠しとおせると
あんなに甘く信じた頃と
にぎり飯とを噛みしめながら
あふれる機械油も
どうにも止まらない
ただ怯えるゲーマーズハイ
朽ち果てるまで
笑っていたかった
けれど手遅れという思いが大きすぎて
また迷いこめる
ただのいっぽん道なのに
蛍のように閉店直後の歌を背後に
しっかり綯われた
縄もないのに
子どもが床を
転がってゆくものだから
戻る 編 削 Point(2)