夏/あらい
潮騒
清々しい懐星に干されて、
渇いたは夏は盛りを終えた
僅かな酷暑に苛まれ、
鬱ぎ込んだ木立の茂みから
かたびらのワンピースが
麦わら帽子と涸れている
涼し気に飽いた舌先で
蒼を犯しては、
温い虹を睨んだ
ひみずの縁に溶け込むだけの
眼鏡越しのモザイクみたいだ
天華のように蔑んでは、
波打ち際をいったりきたりの
繋いだ手と手も、
あぶくになれない
あのひかりは向日葵と
染(し)まうばかりの
See you soon
生臭い風が吹いてくる
透明なミドリは 光を吸い込んだ、廃墟に微睡んでいる。
まっさらだった背中に
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