皓/あらい
 
闇路にある圧力が もっとも 細分可した土砂崩れみたいな装丁で、
せいぜい樹海にかえってきた夜は 際限なく降る小池を逆さに抱えた
メタセコイアの未来は、手袋が重なりあう微熱に 温床張りに顰む教本で

こんなにも 或るというのに言い尽くせない
重なり合う影も形もなにひとつ持てやしない

僕らのユリイカ、アスファルトに垂れ流した糞尿が乾いたわらいだ
僕らは子供ではないけど、暈物語を編み続けて久しい阿呆のひとつだ

すがすがしくあまく 明けては鳴らない空は なでやかに帆翔する
こう 落ち着く世な薄い銀幕 陽翠の奥、なにもない野に辷らせる

そういうものが あたまんなかに渦をまく
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