プーチン来世/片野晃司
 


生まれ変わって、小さくなって、街でかわいい服を少しだけ買って、少しだけ仕事して、たまごボーロ分け合って食べて、少しだけの恋愛があって、少しだけ争いと仲直りがあって、春が来て夏が来て春が来て冬が来て、そんなふうに。


もとをたどればみんな一緒。初めの初めはちりだったのだし、あの星もこの星もちりが集まって生まれたものだし、あの山もあの森もあの海も、あの道もあの車もあの建物ももともとはちりが集まって生まれたものだし。死んでちりに戻ってちりぢりになって、風に吹かれて川を流れて、いろんなちりと混じり合ってまた集まって、別の何かに生まれ変わって。


海辺を散歩していたらカメがいじめられ
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