片端の雉鳩/あらい
 
  たどただしいうでがゆびが ちいさくふるえたあさ
  コウシャした あまやとりに くちばしに 魅がある
   とびたてないうちに はねが かわいていって まして

    さえずりもきせいしつくした こうるさい 偬しみに
    いのちという 紗らに 翳にやかれた 風風が漏れ経つ

 一歩咲き乱れるように、祈りの形は道を踏みし焚いて
 一歩枯れ朽ちるごとく、眠りの香りは往前を指し〆る

     掻き出されたあたり、花を擦り付けて
     産み落としたばかり、茎を手織るよう
     重ねられたことの葉が脈々と鼓動を打ち
     均べられただけの枝が騒騒と飛来する時
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