明けないはずの夜が/シホ.N
 


恋とか愛とか
体感して
現実と思い込む人
本能がうむ幻想が
現実になる

自分の目覚めを
人に告げたいみたいに
音をたてて窓を開ける人
その人とはちがい
まだ私たちは暗闇にいる

肉をそがれ捨てられた
骨をしゃぶってでも生きていく
この自我を産んだ
無自覚な両人のために

あなた方の目覚めを
気にしていない

私たちはつねに暗闇で
眠っている
あるいは祈っている

明けないはずの夜が
明ける意味


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