シナリオ『百合崎高校馬券部始末記』?/平瀬たかのり
棟一階廊下
古びた校舎D棟を一人歩く涼歌。人
の気配はない。各教室のドアを開け
てみるが、どこも鍵がかかっていて
開かない。
涼歌「ふざけんなよな……」
涼歌、廊下の端まで来る。それまで
と異なり格子の入ったガラス戸の入
口、その前で立つ。戸に手をかけ引
く。開く。
涼歌「うわ」
そのまま引き開ける。中に入る涼歌。
○同・旧宿直室
入った所は土三和になっている。上
り框にガスレンジのついた炊事場。
炊飯器も。
三和土に脱ぎ捨てられている上履き
ひとつ。涼歌、目を前にやれば畳敷
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