浮揚遊歩/あらい
 
あの悪逆は切り抜かれたものだから
山羊の頭を齧りながら片手間だから
わたしも、せせこましい小糠雨に祟られ
今もこうして口真似ばかり あるかないか

カアイラシイ模倣者が
手玉にとる
黒白のほつれ 

傍らの外套ばかりが辛気臭い
朴訥な隙間影が型通りに啼かれています
萌えゆく道は遥々吹き募り
木偶坊にも顧みず 濡れ羽色の勾玉持ってなぁ

群て追ったか、風のごとく 
急ぎ足にて
はしゃぎまわっては 
いらっしゃいますでしょう

造花のようでも流し唄う夜は どこからきたのかしら
仕草もだぶついた 虚妄の奇術で漏って酷たらしいが
不可思議にも白々しく、空けゆく術に思いも馳せよう
おもわずしてやられる 一羽であろう、みなみなと
ほら口々に。ある種、偽りの涙とでも交錯する

その芥のこと おまえさまは なんというか その



お題「鴉」2023/06/18
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