海艘 願ゐ弔ゐ/あらい
 

軽々しい あわらち 越して拵て
なあ、女々し布石の子の穴はちょうど
青磁の正午ごろ こちらより あちらがわほど
割れてしまった吹き抜け窓に焚き付ける
並て縦に為ると 憐れな紫陽花も桜の実も
いしじみより 余話 窄まりしホタルの
矢はみなれぬ帆を挙げ出した

翠雨はひぎしさびに、はきはきと
微笑うのよなぁ あゝなぜかって
凪およそかに 
祖の重心を失くする 蕨や我は
紫波史話 すべちかいだけ、ですからに。

葦繁く蚊酔う詩だ
足重く通う死だ

あくせくと 間 かれていく
梅雨空にて 全景 
覆い尽くされ 
ひざまずいては ほしかぞえるひと
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