撚糸/あらい
 
まって
ゆく人々もそう足早でも。うんともすんともいわず、
愛された景色ばかりが散漫としたもので
また、振り返っても 同じ顔が割り当てられ
すこしだけ 過去を背負い込むように歩いています

足が速いだけのネオン管の陽、その代用品
手鳩信号。跨線橋から摩該マガイが逃げ出した

この旅館の入り口はあたたかい色をおいて
ぼそぼそといった、コートを脱いで 肘をついて
窓辺から 世界より 壊れたところで 露光が游いでいる
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