破断面/あらい
 
    地から外れずに姿を残していた

   しんでいるのだと、わかっていた

またひとり森の奥で惰眠を貪る
少女がいるとして、そこには
蝶や栗鼠 鹿や花々が、さいごにはしろく
仰山
揺られあるべきすがたであり続ける
隆起した土塊のその
緩やかな峰に吹き出されるところへは

すっかり色を憂しない   ひとつ桜の苑
ほら棘のある       ひとつ生と死の紫陽花の骨組み
ゆびのはらから突き立てる ひとつ向日葵の涸れた邱
モノクロームの破片と   ひとつ高揚と散る病葉の季節

  ただ妍しいものになる

雀の子も鴉の子も違う
はねをもたない私たち、私たちは。
眼球だけ転がし (嘘) その掌で育まれる、
(彩度0の原石だわ!)
 驚いた顔の、意味をずっと受け入れずに
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