破断面/あらい
 
  彩度0の原石

落ちて欠けたものでは、無く
  乗せて砕いたのだったら。私も私も
    歩度と斜度に比例して、野端に咲いている
 対して水を差される 澱んだ、
 濤声も雨音も
   上顎から下穿きにかけて。
     「あゝすんません。」
 4つ先の角をセンターに
   その藍色のリボンの
     ちぎれたあたり、
香木のイチミリも貰い受けた
手鏡――
    なにもうつらないよ、カレイドスコープ
    まわらないで。
    もう1℃だけ、触れてしまった体熱が
    この手をすり抜けて胸にあたっている
迷宮と。と或る苑は瓶詰めのハーバリウム
 い
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