夜光虫/あらい
 
だからさ
言いくるめた夜の隅で、息を殺すと
かっこいいのだよな

タラップで靴を脱ぎ小瓶の蓋を失くし
廃墟の[花]一文字。朱いインクをおとし
彗星が飾られる
(確かめたかったなら、)
誰にも成らなかった入道雲
てんとう虫は真珠の。人差し指を口元に

砂時計の跳ね具合を 逢瀬に 迷い込ませては
[はじめて私が]ひらいた 鍵が
(船内は ぬかるんだのがわかって。)
悲しみが授かりつつ、弓なりの風が 持ち逃げした

慰めにも出来ない。/きみは観察されたと
知っているか、零れた空のブランコよ、
外傷が激しいですが。眩しいかな、

だが誰の土産でもない
あゝ船が亘りますよ
その形がさざらと仰せに フラッシュするならば
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