メモ/はるな
い風景をみたり聞いたりする。風景は、街だったり音楽だったり詩だったりする。社会が全部区画整理されて、混沌にも看板が付いたらちょっと嫌だなあ。路地裏の暴力は裁かれるべきだけど、路地裏が全部なくなっちゃったら切ないな。
もう、どうしていいかわからないくらい急に暑くなったから、ちょうどいい、溶けるような気持をしよう。と出かけて行き、少し気温が下がった街を歩いて帰ってくる。くたくたに疲れた紫陽花を撫でたりして、夕方を見ていると、今度は娘が赤くなって帰ってくる。もう生きていきたくない、と思うし、思いながら夕食を作るし、明日のぶんのパンを買う。もう生きていたくないな、どこにもいたくないな、と思いながら、
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