目ざめ/soft_machine
 
 まぶたの裡に 月をおさめ
 人は目ざめる

 自己の嵩に 食べられながら
 胸の端に 散らす花
 祈りは いつも途中で待つ
 雨を迎えに 降りつかえる

 命のジグソーパズル
 無理矢理はめこむ力
 膝にかかえ ギヨーに至る
 坂道の町で
 灯りを消した
 一ミリメートルで観望された水脈
 それは横たえた 母の指の裏

 歌は曲がり
 折れ駆けくだり いつかまるく
 子らも球根を宿すだろう
 山がたてる音につつまれて
 ひとつ、ひとつ近づいて
 みんな みんな遠ざかる

 風に はこばれる雪が 空に消えてゆく

 人は目ざめる
 夢から夢へ




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