完備 第二詩集『mirage』/完備 ver.2
にも堆積したまぼろしがレンズの表面で溶けて混
ざりあい、乾いてまた、まぼろしのうすい膜を成した。
二〇二〇年十二月
夕暮れを
スマホの解像度で見ている
++ YOU AND I AND ++
liquid
雨もりは茶色い
コップにティッシュ詰めてうけとる
それから
本をビニール袋でつつむ
どうせバレないでしょ
半裸でベランダ
ずぶぬれになってみる
風邪はひかないていどに。なんだ、
無性に
吸いたい、
ぜったい死ねないところ
書きたいことも悔いもないのに
ぜったい溶けないからだ
あと眼鏡
パンツはすこし減
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