四方山話/あらい
もとからどこにも取り付いてなかった象嵌の螺子ですから
其の内ルリタテハの瞳は羽化していくのを
襤褸が出た躰で憶えている
深層で春を装う球体関節人形の御伽噺
ばっかみたいだって、
靴飛ばして歩けないやって、甘えたりして
そうやって肩並べて 小突きあえたらいいでしょう
甘い雲/苦い雨 層状の烈 群青の愚鈍
まったくの青開、
碧く拓けた瞳に、
なにが映るのか、真相はどこにあるのか。
待ちぼうけ、
それとも
置いてきぼり、
道端の坂道に立ち尽くすこと。
この出入口を閉ざした茶事チャゴトの残影が雪見酒にも想えています
工房に続くスロープが音楽堂から渦をまき
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)