詩のこと、言葉のこと/由比良 倖
が勝手に構築されているのかもしれないし、イメージや語感が熟成されているのかもしれないけれど、しかもそのイメージが人によってばらばらというのではなくて、結構一致するというのは、どういう仕組みになっているのだろう? 意味や使い方をいちいち暗記していたら切りが無い。言葉をすらすら作れるAIは、「幽玄」という言葉を、どういうときに使ったら的確か、ほとんど完璧に学んでいるけれど、人間は殆どイメージや感情で覚えていて、多少用法からずれていても、そこから新しいイメージを得ることが出来る。
例えば、これは個人的な感覚だと思うけれど「幽玄な4月」だとずれすぎていて、咄嗟にはイメージが湧かない。でも「幽玄な三角形
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