シナリオ「恩寵のバーガンディ」?(新人シナリオコンクール・三次選考通過作品)/平瀬たかのり
 
 しと春野君の最初からの推測や。どうなん、
 ばぁば」
佳也子「――野球のこと調べてるんやなかっ
 たんか」
陽鞠「そんなん嘘やって分かってたやろ。わ
 たしばぁばになにを調べてるか訊かれた
 とき、めっちゃ髪さわってたやろ、後で
 自分で気がついたんやけど」
佳也子「――」
陽鞠「子供のときばぁば言うたやん。わたし 
 がなんかしょうもない嘘ついたときや。
 『よう覚えとき、あんたは嘘つくとき髪
 触る癖があるんや』って。そんで頬っぺ
 た思いっきりつねったやん。めっちゃ痛
 かったわ。久しぶりについた嘘やからつ
 い癖が出たみたいやわ」
佳也子「嘘はつかへん約束
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