シナリオ「恩寵のバーガンディ」?(新人シナリオコンクール・三次選考通過作品)/平瀬たかのり
 


〇前同・一階フロア(朝)
   縮刷版四冊を抱え歩いて行く二人。
陽鞠「けっこう、重い……」
   寿道、途中で止まり大きく息を吐く。
   陽鞠、振り返って。
陽鞠「大丈夫? 一冊持とか?」
   首を横に振る寿道。
寿道「大丈夫や、これくらい」
   歩き始める寿道。陽鞠も。

〇前同・閲覧席(朝)
   机の上に縮刷版四冊を置く陽鞠。
寿道「ぼく、もっと向こうの席に座るから」
陽鞠「え、なんで?」
寿道「こういうことはな、まずは自分の世界
 に没頭してやるもんなんや」
陽鞠「ボットー」
   頷く寿道。
陽鞠「うん、そっか。そやんね」
   離れ
[次のページ]
戻る   Point(2)