シナリオ「恩寵のバーガンディ」?(新人シナリオコンクール・三次選考通過作品)/平瀬たかのり
 
と調べてもええっ
 て」
寿道「そっか。あの事件の人質やったと思う? 
 杉原さんのおばあさん」
   頷く陽鞠。
陽鞠「わたし、知りたい。わたしの知らへん
 ばぁばのこと、わたし知りたいんや」
   肩を並べて歩き出す二人。
寿道「なんでそこまで思うん?」
陽鞠「ばぁばのことが好きやから。ほんまに
 ほんまに好きやから」
寿道「好きやから」
陽鞠「うん。この赤い髪な、ばぁばからの遺
 伝。死んだお母さんは飛ばして、わたし
 に出てんよ、このバーガンディ」
寿道「え」
陽鞠「わたしが小三のとき、じぃじが膵臓
 の病気で入院してたんよ。退院する日に
 お父さんとお
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