タピオカしんどい/モリマサ公
 


タピオカにはミサイルがある
かぎられたみなしごたちのまえには
泥水がはいったペットボトルが幾本もあって
それを飲み干さないとみなしごたちは
前へはいけなかった
みなしごたちはみんな嘘に似た想像力があったので
後ろに歩いて行くことを覚えた
みんなミサイルを毎日磨いてる
学校へは行けないし
今は率直に言えば
絶望しかないけど
ここを避難所にしてた
だらだら生きたかった本当は
ミサイルを磨いて
みなしごだということを
克服したらみなしごは
小さなお葬式をしてもらうことが
きまっていた
タピオカでは年に何回か
小さなお葬式をやってあげ
そこからカラフルな下北沢を通って
みなしごたちはいつか人類に混じり
ミサイルがあったことをわすれてしまった。


   
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