浄罪、いいや 冠水。/あらい
 

零れていたのだと気付いたときには遅く
火は消えようとしていた。


(あきをみせたばかりの ひととせをころす)

 ・片足
 ・細腕
 ・碧眼
――戦慄くは口吻
   すげ替えるように
   片っ端から
   罪もないヒトビトを
/鼻先に突きつける荒廃は膿んだ
/引き延ばせない鉄槌は波に餐まれてしまった
/胸懐を超えたしがらみは、大海原の半島に置き去りにした

〈いまごろキミは どうなって しまったか〉


無垢な躯のまま、
ボクは添い寝していたい。
足掻いた挙げ句、浮腫ムクれた外皮が剥がれ、
線虫で着せられた真っ白いはだかを晒して、
物言わぬ眼孔から はにかんだ緑児が生まれてくるのを
狂ったように見つめていたい

のぼせたような木の葉が反射的に降ってくる
千切れ雲から
それを飛び越えるような光が ちりちりと
瞳を焼いていくのを、なによりも
澄み切った 象牙色の骨が
怨めしげに広がっていた
不透明に羽ばたく、みどりにとけてみせて
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