競馬場にて/
花形新次
芝のみどりが
眩しい
吹き抜ける風が
心地よい
馬が疾走する
鬣を靡かせて
それを見ているだけで良い
なんと美しい風景だ
大好きな飛行機雲という青い名馬に
この場所で会うことは
かなわなかったけれど
あと二年待てば
きみの子供達に会えるだろう
孫に会うのを
待ちかねている老人のように
その時を夢見て
芝の匂いを胸いっぱいに
吸い込んでみる
馬が疾走する
人々の歓声が響く
ああ、やっと戻ってきた
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