mechanical ventilator(人工呼吸器)/ホロウ・シカエルボク
 
青臭い時代には…クロニクルは天井で繰り広げられた、でもそんなものには何の意味もなかった、記憶など所詮他人事と同じようなものだ、ひとつ思い出すということは嘘をひとつ人生に埋め込むという行為だ、記憶を現実のまま思い出すことなんて決して出来はしない、だから記憶に踊らされる人間は、自分が錯覚し続けて生きている、すべてを知っているかのような顔をして生きている人間は、ひとつの正解を出すことすら出来ない、記憶―経験と言い換えても構わない、むしろその方が理解し易い、そう、経験…経験そのものには何の意味もない、その経験によって何を感じ、何を得たのかということこそが必要なのだ、経験したということだけで何かを得た気にな
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