ふるさとは1行の詩よりも価値がない/藤原 実
 
ふるさとは1行の詩よりも価値がない

と 少女は似合わない口紅のような言葉で
潮騒を1行に書きとめます

1行の言葉の地図を広げ
次の1行へと飛び移る

くりかえせば
言葉が連れて行ってくれる

何処へ?
それは少女にはわかりません

詩を伴侶と決めた時から
ここではない何処かが
ふるさとになるのです
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