辛夷の花/八重もぐら
 


時に悩みに取りつかれて

どうにも思考が鈍ってしまうことがある

散歩に出て、公園の辛夷の花を見上げる

五部咲きくらいか、白一色六枚の花びら

裏に紅の筋が入るが、樹によりけり

丁度いい水色の空に映え

強い風には枝ごと揺すられて

そよ風にはゆらゆら舞って

白い花はとどまることを知らない

悩んでよどんでいてはならない

先読みし過ぎてはいけない

流されて揺さぶられて

思考の滓(おり)を落すのだ


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