自分語り/木屋 亞万
 
た。誰かが読んでくれたんだ。自分の言葉というものを本当の意味で手に入れたような気がした。

 インターネット上にはたくさんの詩人がいた。当時、多くの票を集めていた人気の詩人は何人もいて、目標であり憧れでありカリスマであり天使であり神様だった。どこに住んでいる誰なのかは全くわからないけれど、性別や年齢は何となくわかった。匿名だから、気楽にできるのかもしれない。読んでいて支えになった言葉たちもあった。それは詩であったり、日記であったりした。ほんとうに救われて、あの人たちの言葉がなかったら、もっと悲惨につぶれきった人生だったろうなと思う。からっぽだったものに、あたたかい空気やら、綿やら、羽やら、お湯
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