コーリング/坂本瞳子
 
なんだか気持ちが落ち着かなくって
足がむずむずするというか
目蓋が落ちそうなくらい眠たい癖に
心の中のどこかがヒリヒリしているような
喉の奥のうほうが痛痒いっていうのとは
ちょっと違う気がするんだけれど
むしろ小躍りしたくなるような
うわっついた気持ちがどこか離れては行かなくって
なんとなく夜空を見上げてみると
真っ暗闇なんだけれども
珍しく気を惹かれてスリッパ履いて
ベランダに出て空気の冷たさに触れて
壁伝いに屋上の上の方まで真上の方まで見てみると
やっぱり月が輝いていて
ほぼほぼまあるい黄色いお月様が輝いていて
嗚呼呼ばれているのだなぁと
胸を撫でおろす
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