深窓心層衰意/あらい
歪にも地球のかの透明な器にあかい のぞきまど
泳ぎつ枯れた まだらの あの あわのような
紅葉などを猶予(たゆた)わせておりました
未だ余日のB面の 張り合わせた後ろ慕情に
古くからある西側の駅近朝日の陽を
あとからあとから篭め 転ばぬさきに
震えるような微量な光が 域を広げた浪漫でした
喩えは あちらこちらと はるかかなたと
余すところも数を尽くして、べた一面に嫋やかな
ひなびた雛罌粟の気韻を、銀紗に保して運びます
まさか 逆方向へ下るばかりの摩擦が、漂泊
仕損じた歩を 滑ら化した円角の、
移り気な穴だけを病的と張る、余程
老朽化した天蓋の、カナの部分を腐敗と定め
空木(うつろぎ)に流布した噂とともにどこか
海へ渡るような心ばかりを引き上げました
もし? 雲と霞と逃げ去れば わたくしは 毒を吐きながら
あゝ ともども命を繋いでは 風のように転がるように
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