冥想の庭/あらい
 
混乱と叫喚が殺伐とした公演から
喝采が剥がれ カーテンコールが轢かれたときに
眼光に直結する額縁を掛けかえる
今宵の円舞曲は
ネオン街に煤けた焔の幕にございます
憑物を尾としたポートレートがみるみる嘲笑いながら
走り去る風をも切り裂いて見せました
割れた眼光には目玉もなく
どこかしこも蹂躙されたあとのまつりを爆ぜさせている
踏み鳴らした裸足の 葦の感触を口笛に託して
獰猛な獣を飼い慣らしたばかりに
約束の時間を忘れてしまった罪と罰をも着せました
外套に昂れた蛾蝶の匂いを便りにして
落ち滾る闇夜を彩色することを憶えたものです
月明かりを喰い殺した少年と少女が出会う場所
誰も彼もが引き寄せられる、あのひにかえりたい
走馬灯の痕の祀りへどうぞ歓迎します
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