布のブックカバー/八重もぐら
 


冬の日差しを背に受けると暖かでした

布のブックカバーはザックリとよい手触りです

賑わう道の際にある私の影の中で

詩集のページを開いてみました

ある詩をゆっくり二度読みました

眩暈のような音の断片が浮かんできました

音楽として聞こえてしまうのが怖くなり

はっとして本を閉じてしまいました

一瞬見えた透き通った時間の粒に

青い空が映っていました


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