シナリオ・駒は乙女に頬染めさせて?/平瀬たかのり
 
そ回ったりはしてへんのか」
寿々芽「はぁ、あまり相手にしてもらえないっていうか……」
久和「ポンコツ厩舎に所属したのが運のツキやったなあ、
 おまえも」
寿々芽「わたし、そんなことは……」
久和「どこでどんな巡り合わせがあるか分からん。営業
 も大事な仕事やぞ」
寿々芽「はい」
   去っていく久和。清掃を続ける寿々芽。

〇同・木本厩舎・事務所内
   テーブル前のソファに座っている寿々芽。調教師
   の木本泰道(49)が前に座る。頭を下げる寿々芽。
泰道「アニキに言われたか、営業のひとつもやってこいっ
 て」
寿々芽「あ、はい、まあ……」
泰道「俺のところきて
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