なにかを考えるとき、もう時計に目をやることはないだろう/ホロウ・シカエルボク
 
灰でも食らったみたいに色褪せ、ザラザラしていた、牧師が聖書を乗せる台では頭の潰れた雀が死んでいて、さながら黒魔術の儀式の生贄にでもなったかのようだった、不思議なことに窓ガラスはひとつも割れていなかった、住宅地のどん詰まりにあり、背後は育ち過ぎた森に囲まれていた、だからあまり雨風の影響を受けないのかもしれない、燭台には最後に燃やされた蝋燭が孵化しきれなかった蛹のように項垂れて立っていた、祈りとはいったいなんなのか、そんな光景の中で佇んでいると、ふとそんな思いにとらわれた、生まれ、朽ち果てることが人であり文化であるのなら、いったいそんなものにどんな意味があるのだろう?だから躍起になるのだろうと言われれ
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