冬眠/タオル
液晶のなか目覚めたように
数字が淡く点滅する 淡くて少し掠れていて
なぞる 指がつめたい
わたしはまたほどけようとする
全部がいちぶ いちぶは全部のごとく移ろい
そうか海は個と全の明滅だと
光り合う雪の中で
飛び込む場所を探った
冬眠に任せ 冬を知らない顔で明るい色の芽を食むことができるなら
─でもそんなのは人間業でない
痛いと思ってほしい
全部死んでいくのに生きている
永遠につづく冬眠を傍目に
デジタルの数字は液晶のなかで溶けていく
海でも雪でもなく デジタルにもなりきれないひとは
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