透き徹る/あらい
 
プロレタリアの布石から旗号に見せかける戯曲は
もどかしくあと一息で瞳が刻む

やわらかな下弦の月の禁欲
傾けられた割れた弾ごとたどたどしく
その青臭いカゲの隔たりに貪るような

爪に火を灯すあれは歓喜のヒト

かつての楽園では揺り籠とも墓場とも言われた点状の星星に
自らを着せるような、大きな天蓋を望んだものだったが

略奪の系譜、断末魔の虚栄 
塗り分けられた表層も今や、

雨露の音によって刷り込まれた極彩色を置いたものだ

古び毳毳しいびろうどの天地を反したような蒔絵は
視覚化された死角に散らす四角に擦れた潤いを飾り立て
あがめへつらう額を垂らし
形式的に降りかかるは花を添え沼に鏤められる

有り触れたポップアートでしかない

如何程にも麻痺したまま脊髄を垂れ流すグラフィクス
かの念仏の虱潰し、小川のほとりで心して
ふと返すがやはり苑どこまでいってもなにもないまま

黙っては大海原に寄せ返す砂塵のひとつ
ほしのしずくと思ってください


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