verification/ホロウ・シカエルボク
 

凍った湖面が反射する太陽のような兆し、隙間だらけの部屋の中で俺は、雪崩のように落ちていく古い数々の感情を見ていた、時間の仕切りというものが皆無で、そこは過去でもあり、現在でも未来でもあった、真理とはいつだって幻みたいだ、それはどんな思考も、行動も、限界も存在しない瞬間にこそ訪れる一瞬の閃きだ、それにどんな名前を付けて、どんな引出に投げ込もうと勝手だけれど、時が来たら捨てなければならないということだけは忘れてはいけない、それは誰かの写真のように、いつだって同じ顔でこちらを見返してはくれない、自分の、あるいは状況の変化が、そいつの、色味や形状、あるいは意味合いを変えていく、より深い意味を持つことも
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