ただひとつの止まり木より/あらい
 
注いだ メランコリックなぬかるみでは

愛しくて、切ないほど、見せしめで、フローチャートはむしりとられる

このデータを伝送すると海水が流れ込んだ、
右も左もただ弱いグライダーが
波打ち際に揺蕩うように。
夢遊病かな、渡り鳥かも、でも野良犬みたいだ
なんとなく開かれたところにダリアが咲く

今日はカーニバルだったと知ったところです

うたいわらうピエロがカラフルな吹雪の詰まった、風船を掲げている
まっさらになるまえに、ピントを合わせては鐘の音を鳴らし、
トイカメラの単眼は、温室育ちの艷消し硝子に焚きつけさせるという

やさしくてほろにがい小昼時のクリームを愛撫し
航海のシロップを鮮烈に脈打っている。

成り行きに流される咎人の迷宮、酸欠の愛華の小芝居の出発点を
グラスに詰まった珈琲で流し込んだ 焦がれ欠けた微笑みを思い出した
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